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著者: miyauchi(本サイト・各ツールの開発者)

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Opener Rate でパターン/サブパターンを設定する実践例

Opener Rate のパターン/サブパターン機能を使って、複数初動や組み合わせ条件を含む現実的なデッキの初動率を定義する手順を実例で解説します。

Opener Rate では、「パターン」と「サブパターン」という機能を使って、初動が成立する条件を細かく定義します。この記事では、M∀LICE<P>Dormouse を初動とする40枚デッキを例に、パターンを1つ登録して初動率を計算するところから始め、条件種別の使い分け、複数パターンの組み合わせ、指名者を絡めたサブパターンの活用までを、実際の画面と計算結果の数値を追いながら解説します。初動率の考え方と計算式は初動率の計算式と早見表のガイド を、厳密計算とシミュレーションという2つの計算方式の違いは 計算方式の解説記事 をご覧ください。

パターンとサブパターンの役割分担

パターン は、「このカードたちをこういう条件で引いていれば初動が成立する」という条件をひとまとまりで定義する機能です。1つのパターンには条件を複数追加でき、すべての条件を満たした手札だけが成立と数えられます。パターン自体も複数登録でき、計算結果の全体成功率は「いずれか1つでも成立した手札の割合」になります。つまり、1つのパターンの中の条件は「かつ」で、パターン同士は「または」でつながります。

ラベル は、パターンに紐づける集計用の分類です。複数のパターンに同じラベルを付けると、結果画面のラベル別成立率に「そのうちどれかが成立した割合」がまとめて表示されます。

サブパターン は、パターンの成立を前提に追加の条件を判定し、満たした手札へラベルを付与する機能です。全体成功率には影響しません。「初動が成立していて、さらに指名者も引けている」のような一段細かい割合を、初動率の定義を変えずに集計するために使います。

「ドーマウス初動」パターンを登録して計算する

まず、初動が1種類だけの最小構成から始めます。40枚デッキに M∀LICE<P>Dormouse を3枚、増殖するG を3枚登録した状態を例にします。増殖するGは初動ではなく、後半の集計例で使うカードです。

カード一覧に M∀LICE<P>Dormouse を登録し、採用枚数を3枚に設定します。次にラベル一覧で「先攻展開」というラベルを作成します。ラベルは、後で複数のパターンをまとめて集計するときの分類として使うので、展開ルートの名前をそのままつけておくと結果画面で見分けやすくなります。

続いてパターン一覧で新しいパターンを作成し、名前を「ドーマウス初動」とします。パターンの「紐付けラベル」に先ほど作成した「先攻展開」を設定し、対象カードに M∀LICE<P>Dormouse を選択します。条件は「指定カードを引く」を選び、必要枚数を1に設定します。これで「M∀LICE<P>Dormouseを1枚以上引いていれば、先攻展開ラベルの初動が成立する」という条件が完成します。

パターン一覧で「ドーマウス初動」を展開した状態。紐付けラベル「先攻展開」、対象カード「M∀LICE<P>Dormouse」(3枚採用)、条件「指定カードを引く」必要枚数1が設定されている

「ドーマウス初動」パターンの設定画面です。紐付けラベル、対象カード、条件、必要枚数をこの1画面でまとめて設定します。

設定が終わったら「計算する」ボタンを押します。デッキ枚数40枚、初手枚数5枚のまま厳密計算を実行すると、全体成功率は33.76%と表示され、ラベル別成立率パネルにも「先攻展開 33.76%」が表示されます。パターンが1つしかないため、全体成功率とラベルごとの成立率が同じ値になっているのが確認できます。

ドーマウス初動パターンの計算結果。全体成功率とラベル別成立率(先攻展開)が33.76%になっている画面

「ドーマウス初動」パターンだけを登録した状態での計算結果です。全体成功率とラベル別成立率のどちらも33.76%になっています。

パターンの条件種別

「ドーマウス初動」で使った「指定カードを引く」を含めて、パターンの条件種別は6つあり、「引けたかどうか」以外の形も条件にできます。

  • 指定カードを引く :対象カードを合計で必要枚数以上引いている。もっとも基本的な条件です。

  • 指定カードを別名で引く :対象カードのうち、異なる名前のカードを必要枚数以上引いている。同名カードの重ね引きを1種類と数えたいときに使います。

  • 指定カードを引かない :対象カードを1枚も引いていない。初手に来てほしくないカードを引いてしまった手札を、成立から外せます。

  • 指定カードをデッキに残す :対象カードが必要枚数以上デッキに残っている。展開の途中でデッキから引っ張りたいカードが、必要な枚数だけデッキに残っていることを条件にできます。

  • 合計ドロー数 :集計ルールに登録したカードの合計枚数を、しきい値と「以上」または「ちょうど」で比較します。ルールは複数追加でき、ルールごとに「実枚数」でそのまま数えるか、「種類毎に1枚」でそのルールのカードを何枚引いていても1枚と数えるかを選べます。1ルールに1種類ずつ登録すれば「異なる手札誘発を合計2枚以上」のような数え方になります。

  • 合計残枚数 :合計ドロー数と同じ集計を、初手ではなくデッキに残った枚数に対して行います。

1つのパターンに条件を複数追加した場合、すべて満たしたときだけ成立します。また、「指定カードを引く」条件が複数あるとき、同じ1枚が2つの条件に同時に数えられることはありません。たとえば「Aを1枚」と「AかBを合わせて2枚」の2条件を置いた場合、成立には手札に合計3枚が必要です。

複数パターンの組み合わせと全体成功率

実際のデッキでは初動ルートが複数あるのが普通なので、ここからパターンを増やしていきます。カード一覧に M∀LICE<P>White Rabbit を3枚追加し、こちらも1枚で展開を始められる初動として扱うことにします。パターン「ホワイトラビット初動」を新しく作成し、条件は「指定カードを引く」でホワイトラビットを1枚以上、紐付けラベルにはドーマウス初動と同じ「先攻展開」を設定します。

この状態で厳密計算を実行すると、全体成功率は57.71%になり、パターン別成立率にはドーマウス初動33.76%、ホワイトラビット初動33.76%が並びます。33.76%の2倍(67.52%)にならないのは、両方の初動を同時に引いている手札が1回分としてしか数えられないためです。全体成功率は「いずれかのパターンが成立した手札の割合」なので、個別成立率の単純な足し算にはなりません。

ラベルの付け方は集計の設計そのものです。今回のように両方のパターンへ同じ「先攻展開」を付ければ、ラベル別成立率には2ルート合わせた57.71%が表示されます。ルートごとの数字はパターン別成立率でいつでも確認できるため、ラベルは「複数のパターンをまとめて1つの指標として見る」ために使うのが基本です。逆に、先攻用と後攻用のように性質の違うパターン群を登録するなら、ラベルを分けておくことで結果画面でも分けて読めます。

複数枚のカードを組み合わせた初動パターン

次に、2枚のカードを組み合わせた初動をパターンにします。カード一覧に M∀LICE<P>March Hare を3枚追加します。ここでは、マーチヘア単体では展開を始められないものの、ドーマウスと合わせて引けたときには最終盤面が大きく伸びる、という2枚初動として扱います。ラベル一覧に「フル展開」を追加し、パターン「ドーマウス+マーチヘア」を作成して、「指定カードを引く」の条件を2つ追加します。1つ目の対象カードにドーマウス、2つ目の対象カードにマーチヘアを設定し、必要枚数はどちらも1です。条件は「かつ」でつながるため、両方を同時に引いた手札だけが成立します。

パターン一覧で「ドーマウス+マーチヘア」を展開した状態。紐付けラベル「フル展開」、条件1にM∀LICE<P>Dormouse、条件2にM∀LICE<P>March Hareがそれぞれ「指定カードを引く」必要枚数1で設定されている

「ドーマウス+マーチヘア」パターンの設定画面です。「指定カードを引く」条件を2つ並べることで、2枚とも引けた手札だけを成立と数えます。

計算すると、パターン別成立率に「ドーマウス+マーチヘア 9.80%」が追加され、ラベル別成立率にも「フル展開 9.80%」が表示されます。一方で全体成功率は57.71%のまま変わりません。このパターンが成立する手札は必ずドーマウスを含んでいて、「ドーマウス初動」としてすでに数えられているためです。全体成功率を押し上げないパターンにも、こうして上振れルートの頻度を個別に観測する使い道があります。

初動3パターン登録時の計算結果。全体成功率57.71%、パターン別成立率にドーマウス初動33.76%、ホワイトラビット初動33.76%、ドーマウス+マーチヘア9.80%、ラベル別成立率に先攻展開57.71%とフル展開9.80%が表示されている

初動3パターンを登録した状態の計算結果です。パターン別成立率の「一覧を表示」を押すと、ルートごとの成立率を個別に確認できます。

サブパターンで指名者による貫通率を集計する

初動が成立していても、灰流うららを直撃されるとそのまま止まってしまうことがあります。そこで、初動と一緒に墓穴の指名者や抹殺の指名者を構えられている手札の割合を、サブパターンで集計してみます。カード一覧に灰流うららを3枚、墓穴の指名者を2枚、抹殺の指名者を1枚追加し、ラベル一覧に「うらら貫通」と「無効貫通」を作成します。墓穴の指名者は相手の墓地のモンスターを除外してその効果を無効にできるため、うららのようなモンスター誘発への回答になります。一方の抹殺の指名者は、宣言するカードと同名のカードを自分のデッキから除外する必要があるため、うららに当てるには自分のうららがデッキに残っていなければなりません。この関係を、次の2つのラベルの条件としてそのまま持ち込みます。

  • うらら貫通 :初動が成立していて、相手のうららを止められる。墓穴を引いているか、抹殺を引いていて自分のうららがデッキに1枚以上残っていれば成立とします。

  • 無効貫通 :初動が成立していて、ヴェーラーのようなモンスター効果の無効系誘発を止められる。このデッキはヴェーラー自体を採用しておらず抹殺では宣言できないため、墓穴を引いている場合だけ成立とします。

これをパターンだけで作ろうとすると、初動3ルートと指名者2種の掛け合わせで、同じ条件を複製したパターンを何本も並べることになります。サブパターンを使えば、追加条件は指名者ごとに1か所ずつで済みます。まず「墓穴で貫通」というサブパターンを作成し、対象基礎パターンに初動3パターンをすべて選択、条件は「指定カードを引く」で墓穴の指名者を1枚以上、効果のラベル付与に「うらら貫通」と「無効貫通」の両方を設定します。1つのサブパターンから複数のラベルをまとめて付与できます。

サブパターン一覧で「墓穴で貫通」を展開した状態。対象基礎パターンに初動3パターン、条件に墓穴の指名者を1枚以上引く、付与ラベルにうらら貫通と無効貫通が設定されている

「墓穴で貫通」サブパターンの設定画面です。対象基礎パターンに初動3パターンを選択し、付与ラベルには「うらら貫通」「無効貫通」の2つを設定しています。

続いて「抹殺で貫通」というサブパターンを作成します。対象基礎パターンは同じく初動3パターン、条件は「指定カードを引く」で抹殺の指名者を1枚以上と、「指定カードをデッキに残す」で灰流うららを1枚以上の2つを設定し、ラベル付与は「うらら貫通」だけにします。宣言先のうららがデッキに残っていることを「指定カードをデッキに残す」で表現しているのがポイントです。同じ「うらら貫通」ラベルを2本のサブパターンから付与しているので、ラベルの成立率はパターンと同じように「どちらかが成立した割合」になります。

サブパターン一覧で「抹殺で貫通」を展開した状態。条件に抹殺の指名者を1枚以上引くことと灰流うららをデッキに1枚以上残すことが設定され、付与ラベルはうらら貫通のみ

「抹殺で貫通」サブパターンの設定画面です。「指定カードをデッキに残す」条件で、宣言先のうららがデッキに残っていることまで含めて判定します。

計算すると、ラベル別成立率に「うらら貫通 17.29%」と「無効貫通 12.03%」が追加されます。うらら貫通のほうが高いのは、墓穴に加えて抹殺のルートでも成立するためです。このとき全体成功率は57.71%のまま変わりません。サブパターンはラベルを付与するだけで、初動が成立したかどうかの判定には影響しないためです。

サブパターン追加後の計算結果。全体成功率は57.71%のままで、ラベル別成立率にうらら貫通17.29%と無効貫通12.03%が追加されている

指名者サブパターンを追加した計算結果です。全体成功率は変わらず、ラベル別成立率に貫通系の指標が増えています。新しく増えたラベルには前回計算からの差分が緑で表示されています。

サブパターンの他の設定項目にも触れておきます。対象基礎パターンを選択しなかった場合は、登録済みのすべてのパターンが対象になります。条件の種別はパターンと共通の6つに加えて、サブパターン専用の「パターン成立時に含む枚数」を選べます。これはベースのパターンの成立に実際に使われたカードの内訳を条件にするもので、「AかBを合わせて1枚以上」のようなパターンがどちらのカードで成立したかに応じてラベルを分けたい場合に使います。適用回数は既定の「試行ごとに1回」のままで問題ありません。「引いた種類ごとに1回」に切り替えて発動元カードを指定すると、発動元カードを1種類以上引けている手札だけに効果を絞れます。

成立係数と合計初動率からの除外

複数のパターンを運用し始めると、「成立はしたが、全体成功率にそのまま数えたくない」パターンが出てきます。パターンにはこのためのオプションが2つあります。

成立係数は、そのパターンが成立した手札を何割の成功として数えるかの重みです。たとえば誘発1枚で止まってしまう初動を8割の成功と見なすなら、係数を0.8にします。ドーマウス初動だけを登録した最初の例で係数を0.8にすると、全体成功率は33.76%×0.8で27.00%になります。パターン別成立率の一覧には係数適用後の値が表示され、係数を変更したパターンには適用前の成立率と係数も併記されます。

「合計初動率に計算しない」にチェックを入れると、そのパターンは成立しても全体成功率に数えられなくなります。初動とは関係ない割合をラベルとして観測したいときに使うオプションです。たとえば「誘発2枚以上」というパターンを作り、条件を「合計ドロー数」にして、集計ルールへ灰流うららと増殖するGを「実枚数」で登録し、しきい値を2以上とします。ラベルは新しく作った「誘発保持」を紐づけ、このチェックを入れておきます。計算すると、全体成功率は57.71%のまま、ラベル別成立率に「誘発保持 15.42%」が追加されます。初動率の定義を変えずに、後攻をまくるための誘発の抱え込み率だけを同じ結果画面で追えるようになります。

全体成功率とラベル別成立率の読み方

ここまでの設定をすべて反映すると、結果画面は次のようになります。全体成功率は57.71%で、これは「合計初動率に計算しない」を除いたパターン(初動3パターン)のいずれかが成立した割合です。パターン別成立率には4つのパターンの個別の値が並び、除外した「誘発2枚以上」は色分けされて表示されます。ラベル別成立率には先攻展開57.71%、うらら貫通17.29%、誘発保持15.42%、無効貫通12.03%、フル展開9.80%という5つの指標が並びます。1回の計算で、初動率そのもの、上振れルートの頻度、指名者を添えて誘発を貫通できる割合、誘発の抱え込み率までを同時に読める構成です。

最終的な計算結果。全体成功率57.71%、パターン別成立率に4パターン(除外した誘発2枚以上は色分け表示)、ラベル別成立率に先攻展開57.71%、うらら貫通17.29%、誘発保持15.42%、無効貫通12.03%、フル展開9.80%が並んでいる

この記事の設定をすべて反映した計算結果です。「合計初動率に計算しない」を設定した「誘発2枚以上」は、パターン別成立率で色分けされて表示されます。

カードの採用枚数を変更して「計算する」を押し直せば、その場で各数値の変化を確認できます。厳密計算では前回の結果との差分もあわせて表示されるため、「墓穴の指名者を1枚増やすと貫通系のラベルがどれだけ伸びるか」のような比較を繰り返しながら、採用枚数を詰めていくワークフローに向いています。

カードの登録を1枚ずつ手で行うのが手間な場合は、遊戯王ニューロンの公開デッキURLなどからメインデッキを一括で取り込めます。手順はデッキ一括読み込みの記事 にまとめています。また、金満で謙虚な壺を採用しているデッキでは、壺でめくる分岐まで含めた計算になります。壺設定の使い方は 金満で謙虚な壺の記事 をご覧ください。

この記事で紹介した Opener Rate は無料で利用できます。機能の一覧は紹介ページをご覧ください。

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