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著者: miyauchi(本サイト・各ツールの開発者)

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強欲で貪欲な壺やドローソースがあるデッキの初動率計算

強欲で貪欲な壺、強欲で金満な壺、成金ゴブリンのようなドローソースを採用したデッキの初動率を、Opener Rate の壺設定とドロー系カード設定で厳密計算する手順を解説します。壺3枚と成金3枚で初動率が何ポイント動くかの実例付き。

強欲で貪欲な壺や成金ゴブリンのようなドローソースが入ったデッキの初動率は、「実質デッキ圧縮だから体感で数枚分」と雑に見積もられがちです。しかし正確には、「ドローソース自体を初手に引けたか」「引けた場合に追加の何枚で初動を拾えたか」という分岐を数え上げる必要があり、手計算では場合分けがすぐに破綻します。筆者が開発している初動率計算機の Opener Rate は、この分岐を壺設定とドロー系カード設定の2つの入力で扱い、厳密計算のまま結果を出せます。この記事では設定の手順と、ドローソースで初動率が実際に何ポイント動くのかを、実例の数値で解説します。めくった中から1枚を選ぶ金満で謙虚な壺は計算の性質が異なるため、金満で謙虚な壺の記事で別に扱っています。

壺設定: 強欲で貪欲な壺 / 強欲で金満な壺

デッキ設定の壺設定には「強欲で貪欲な壺 / 強欲で金満な壺 枚数」というフィールドがあり、0から3の範囲で採用枚数を入力します。枚数を1以上にすると「強欲系: 厳密計算」のバッジが表示され、説明文にあるとおり「初手にあれば1回だけ2枚ドローする」操作として計算に組み込まれます。2種類の壺がひとつの欄にまとまっているのは、発動コスト(強欲で貪欲な壺はデッキの上から10枚を裏側で除外、強欲で金満な壺はEXデッキから除外)が違っても、初手の成立率に対する働きは「2枚ドロー」で共通だからです。

実例で確認します。デッキ枚数40枚、初手5枚に、パターン設定の記事と同じ「ドーマウス初動」(M∀LICE<P>Dormouse 3枚のうち1枚以上を引く)のパターンを登録し、強欲で貪欲な壺を3枚採用したと想定して壺設定に3を入力しました。計算モードは厳密計算のまま計算すると、全体成功率は37.74%になります。

Opener Rate のデッキ設定と計算結果。壺設定の強欲で貪欲な壺 / 強欲で金満な壺 枚数が3に設定され、強欲系: 厳密計算のバッジと、初手にあれば1回だけ2枚ドローとして厳密計算に含める旨の説明が表示されている。計算結果には全体成功率37.74%と厳密計算バッジが表示されている
強欲系の壺を3枚に設定した状態です。「強欲系: 厳密計算」のバッジが表示され、全体成功率は37.74%と計算されています。

壺なしでドーマウス3枚を素引きする確率は33.76%なので、壺3枚の上乗せは約4ポイントです。デッキの3枠を使った初動率の押し上げとしては、実は控えめな数字です。比較として、初動そのものを3枚から4枚に増やせた場合の初動率は42.71%で、1枚でほぼ9ポイント上がります。「初動率を上げたいなら初動を増やすのが最も速く、壺の価値はドローによるリソースの上乗せにある」という使い分けが、数字からも裏付けられます。

ドロー系カード一覧: 成金ゴブリンなどの汎用ドロー

壺以外のドローソースは、エディタのドロー系カード一覧で1枚ずつ登録します。設定できるのはカード名、採用枚数(最大3)、1回の発動で引く枚数(1か2)、ターン1制限の有無、そして発動条件です。成金ゴブリンなら「採用枚数3、ドロー枚数1」で、同名ターン1制限のないカードなのでターン1のチェックは外します。この場合、初手に2枚あればそれぞれが解決されて2枚引く、という挙動まで含めて計算されます。逆に同名ターン1のカードはチェックを入れれば1回だけの解決になります。

Opener Rate のドロー系カード一覧。成金ゴブリンが採用枚数3、ドロー枚数1、ターン1チェックなし、発動条件0件で登録されており、合計3枚のバッジが表示されている。下にはラベル一覧とパターン一覧(ドーマウス初動)が見えている
ドロー系カード一覧に成金ゴブリンを登録した状態です。採用枚数、ドロー枚数、ターン1の有無をカードごとに設定できます。

発動条件は、ドローに前提があるカードのための設定です。たとえば手札コストを要求するドローソースなら、「コストにできるカードが手札にあること」をパターン条件と同じ形式で付けられます。条件が満たされない試行ではそのカードは発動しなかったものとして数えられるので、「引けたのに撃てない」場面を成立側に混ぜずに済みます。

結果の読み方: ドローソースの上乗せは合計で何ポイントか

先ほどの壺3枚のデッキに成金ゴブリン3枚を追加して再計算すると、全体成功率は40.67%になります。結果の横には直前の計算との差分(+2.93%)が緑色で表示されるので、採用枚数を変えながら効果を比較する作業がそのまま画面上で完結します。

成金ゴブリン3枚を追加して再計算した結果。全体成功率40.67%と、直前の計算との差分+2.93%が緑色で表示されている。壺設定の強欲系3枚の入力もそのまま残っている
成金ゴブリン3枚を追加した結果です。全体成功率は40.67%で、直前の計算との差分+2.93%が併記されています。

整理すると、素引きのみ33.76%、強欲で貪欲な壺3枚で37.74%、さらに成金ゴブリン3枚で40.67%です。壺と成金で6枠を使って約7ポイント、という水準は、体感の「ドローソースを積んだから安心」よりかなり小さいのではないでしょうか。ドローソースの主目的が初動率ではなく手数とリソースの上乗せにあること、初動率の確保はあくまで初動側の枚数で行うべきことを、この数字は示しています。

計算が仮定していること

この計算にはいくつかの前提があります。まず、壺もドロー系カードも「初手にあれば必ず発動する」プレイを仮定します。次に、強欲で貪欲な壺の裏側除外は計算に影響させていません。ランダムな10枚をめくらずに除外してからドローしても、引ける2枚の中身の確率分布は変わらないため、素引きパターンの成立率に関してはこの単純化で厳密なままです。ただし、除外によってサーチ先や後続が消えるゲーム的なコスト、そして強欲で金満な壺の「発動ターンは他のカード効果でドローできない」制約は計算の対象外です。強欲で金満な壺と成金ゴブリンを同一ターンに併用する、といったルール上できない組み合わせを弾く機能はないので、実際のプレイと整合する設定を入力するのはプレイヤーの仕事になります。また、強欲で金満な壺は6枚除外の2枚ドローを想定した扱いです。3枚除外の1枚ドローで運用する想定なら、ドロー系カード一覧にターン1の1枚ドローとして登録する方法もあります。

こうした前提を押さえておけば、ドローソース入りデッキの初動率を「体感」ではなく数字で議論できます。壺設定とドロー系カード一覧はどちらも共有URLに含まれるので、計算結果をパターン設定ごと他の人に渡して、採用枚数の議論の土台にすることもできます。

この記事で紹介した Opener Rate は無料で利用できます。機能の一覧は紹介ページをご覧ください。

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