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「金満で謙虚な壺」があるデッキの初動率計算

金満で謙虚な壺を採用したデッキでは、Opener Rate の計算方式がシミュレーションに固定されます。その理由と壺設定の使い方、結果の読み方を解説します。

金満で謙虚な壺は、現代の遊戯王デッキで採用率が高いカードの一つです。Opener Rate でこのカードをデッキに入れると、初動率の計算方式が通常のデッキとは異なる扱いになります。この記事では、金満で謙虚な壺があるデッキで計算方式がどう変わるのか、その理由と、専用の壺設定をどう使うのか、結果画面をどう読めばよいのかを順番に解説します。厳密計算とシミュレーションという2つの計算方式そのものについては概念解説の記事で扱っているので、あわせてご覧ください。

金満で謙虚な壺があると厳密計算を選べない理由

Opener Rate の厳密計算は、デッキの中でどの札を引いたかをすべて数え上げて確率を求める方式です。ドローで手札に加わる札は、山札の並び順に応じて機械的に決まるため、組み合わせを列挙するだけで正確な確率を計算できます。

ところが金満で謙虚な壺は、山札の上から複数枚をめくり、その中からプレイヤーが1枚を選んで手札に加えるカードです。どの札を選ぶかは山札の並びだけでは決まらず、めくれた札を見たプレイヤーの判断に委ねられています。デッキ設定の壺設定セクションには、この事情が「金満で謙虚な壺は公開カードから最良札を選ぶため、厳密計算を選んでいても結果はシミュレーションで計算します。強欲系は1回だけ2枚ドローとして厳密計算に含めます。」と説明されています。

「公開カードから最良札を選ぶ」という一文が要点です。単純な組み合わせの数え上げでは、めくれた札のうちどれが最良かを判定できません。そのため金満で謙虚な壺を含む試行だけを組み合わせ列挙から切り離すことはできず、デッキ全体の計算方式そのものをシミュレーションに切り替える設計になっています。

同じ壺系カードでも、強欲で貪欲な壺や強欲で金満な壺は扱いが異なります。壺設定の説明文には「強欲で貪欲な壺 / 強欲で金満な壺は、初手にあれば1回だけ2枚ドローとして厳密計算に含めます。」とあり、Opener Rate はこれらを1回きりの2枚ドローという単純な操作として扱います。結果を単一の操作に単純化できるカードは厳密計算の対象にでき、公開カードから選ぶ判断が入る金満で謙虚な壺とは扱いが分かれています。

壺設定でカードの採用枚数を指定する

金満で謙虚な壺は、他のカードのようにカード一覧へ自由入力で追加するわけではありません。デッキ設定には壺設定という専用のセクションがあり、その中の「金満で謙虚な壺 枚数」フィールドに採用枚数を入力します。採用しているなら1から3の範囲で枚数を指定するだけで、以降の設定はアプリ側が自動的に反映します。

デッキ設定の壺設定セクション。金満で謙虚な壺 枚数が3に設定され、カード一覧にM∀LICE<P>Dormouseが3枚登録されている。金謙: シミュレーションバッジと説明文が表示され、計算モードの厳密計算(金謙では不可)ラジオが無効化されている
壺設定セクションで金満で謙虚な壺を3枚に設定した状態です。金謙: シミュレーションのバッジが表示され、計算モードの厳密計算は選べなくなっています。

枚数を1以上にすると、壺設定の下に計算方式を示すバッジと説明文が現れます。金満で謙虚な壺と強欲系のカードを両方採用しているデッキでは、「強欲系: 厳密計算」と「金謙: シミュレーション」の2つのバッジが並んで表示され、どちらの扱いが適用されているかを一目で確認できます。

計算モードがシミュレーションに固定される

金満で謙虚な壺の枚数を1以上に設定すると、計算モードの選択肢のうち「厳密計算」が「厳密計算(金謙では不可)」という表示に変わり、選べない状態になります。あわせて計算モードの下に「金満で謙虚な壺が有効なため、計算はシミュレーションに固定されます。」という注記が表示されます。厳密計算を選ぼうとしても選択肢自体が無効化されているため、操作を誤って結果の信頼性を損なう心配はありません。

シミュレーションに固定されている間も、試行回数の指定は通常どおり利用できます。試行回数を増やすほど計算結果は安定しますが、その分だけ計算に時間がかかるため、デッキ検討の初期段階では少ない試行回数で全体の傾向をつかみ、採用枚数を固めた段階で試行回数を増やすといった使い分けが可能です。

結果画面の読み方

計算を実行すると、結果パネルにはシミュレーションであることを示すバッジと、実際に何回試行したかを示す試行回数が表示されます。パターンを何も登録していない状態で計算すると、全体成功率は0.00%と表示されます。これは初動として成立させたい条件がまだ何も定義されていないためであり、金満で謙虚な壺の設定自体に問題があるわけではありません。

計算結果パネル。全体成功率0.00%、試行回数100000回、シミュレーションバッジが表示されている
パターン未設定の状態で計算した結果です。この例では成功率は0.00%になりますが、確認すべきは試行回数とシミュレーションバッジが表示されていることです。パターンを登録すれば、他の記事と同様に成立率が表示されます。

実際にパターンを登録した状態で厳密計算を実行すると、パターン設定の記事で紹介しているように、ドーマウス初動というパターンの成立率は33.76%と表示されます。同じ条件を金満で謙虚な壺入りのデッキでシミュレーションにより計算すると、試行のたびに山札の並びを乱数で生成して集計するため、結果にわずかなブレが生じます。試行回数を増やすほどこのブレは小さくなり、実用上は厳密計算の値と十分近い結果が得られます。デッキ全体の傾向をつかむという用途では、この程度のブレは問題になりません。

パターン/サブパターンの登録方法自体は、金満で謙虚な壺を採用していないデッキと変わりません。壺設定で枚数を指定した後は、パターン設定の記事の手順に沿って初動条件を登録すれば、金満で謙虚な壺を考慮したうえでの初動率をシミュレーションによって確認できます。